天候:曇のち雨
耳川水系ワリ谷(ウツロ谷)の遡行を行った。参加者は5名で、そのうち1名は新人であった。
ウツロ谷は耳川水系を代表する初級から中級者向けの沢として知られている。全体的には穏やかな渓相で、美しいナメ床や小滝が連続し、遡行グレード以上に沢登りらしさを味わうことができる。一方で、部分的にはルートファインディングや高巻きの判断を求められる箇所もあり、気を抜くことはできない。遡行距離も手頃で、新人教育やシーズン初めの足慣らしにも適した沢である。
当日は北陸地方の天候がかろうじて曇りで、水温もあまり上がらないと予想されたため、できるだけ水に浸からないよう注意しながら行動する方針とした。
しかし、その目論見は入渓後まもなく現れた最初の小滝で崩れた。結局は水線を突破することになったが、先頭でリードしていたこともあり、緊張による冷や汗と行動中の発汗で体は十分に温まった。
遡行中はナメや小滝が次々と現れ、ウツロ谷らしい明るく開放的な渓相を楽しむことができた。大きな困難は少ないものの、地形の変化が多く、飽きることなく遡行を続けられる沢であることを改めて感じた。
この日の核心は、草付き斜面を巻いて登った箇所であった。岩質、足場、支点条件のいずれも良好とは言えず、ルート取りにも苦労したため、かなりの時間を要した。草付きは見た目以上に脆く、足元も不安定で、全ての条件が悪い方向に重なっていた。最終的にはM田さんのサポートに助けられ、なんとか通過することができた。
途中には大滝も現れたが、安全を優先して巻き道を利用した。その後は登山道が近づいたため、適当な地点で脱渓し、登山道を利用して下山した。
新人を含むパーティーであったが、ウツロ谷の持つ穏やかな魅力と、一筋縄ではいかない沢登りの難しさの両方を体験できた山行となった。

